takanori_takkenの日記

2020年宅建士合格を目指して勉強していくブログです。宅建士の勉強をする中で分かったことなどを主に書いていきます。

二重譲渡などに備えて

物件変動の対抗要件

例えば、AさんがBさんに家を売った場合、この家の所有権は、AさんからBさんに移転します。このような所有権の移転などを物権変動といいます。物権変動は原則として契約などの意思表示をすることで効力が生じます。

対抗問題とは

例えば、AさんがBさんに家を売り、同じ家をCさんに売った場合(二重譲渡) 。この場合、家の所有権をめぐって、BさんとCさんが互いに「この家は自分のものだ」と主張し合うことになります。このように、互いに権利を主張し合う関係を、対抗問題といいます。不動産に関する物権変動は登記がないと第三者に対抗することができないので、先に登記を備えた者が優先権を主張することができます。つまり早い者勝ちです。例えば、先の例でBさんが先に登記を済ませていたら、CさんはBさんに対抗することができません。優先権を主張できることを、対抗力があるといいます。そして、対抗力を得るための手段を、対抗要件といいます。動産の場合は物の引き渡しですが、不動産に関しては登記が対抗要件です。そして、投機などによって、所有権などの所在を世の中の人に明らかにすることを、公示といいます。

三者の範囲

三者とは、当事者や相続人などの包括承継人以外の者というだけでなく、登記がかけていることを主張することについて、正当な利益を有する者とされています。具体的には、不動産の二重譲渡における第二の譲受人や、譲渡された不動産を借りている賃借人等です。もちろん、当事者やその相続人は第三者ではありません。

・全くの無権利者

本来の所有者であるAさんは無権利者のCさんに対しては、登記なしで自分のものであると主張できます。なぜなら、このCさんは何の権利も持っていないので、Aさんに登記がないことを主張し得る正当な利益がなく、第三者に当たらないからです。

不法行為者、不法占拠者

不法行為者・不法占拠者などに対しては登記がなくても「自分のものだから出て行け」と主張できますし、また「損害賠償金を支払え」と主張することもできます。

背信的悪意者

悪意者は第三者であるが人を困らせる目的の背信的悪意者は第三者ではないとしています。

・詐欺、強迫によって登記申請を妨げたもの

詐欺・強迫にあったものは登記なしで「自分の土地だ」と主張することができます。

・他人のために登記申請をする義務のある者

例えば、BさんがAさんから買った土地を登記したいと考え、司法書士のEさんに陶器の依頼をしたとします。しかし、Eさんはその土地が気に入ったのでAさんから同じ土地を買って登記を備えました。この場合、BさんはEに対しては登記なしで自分のものであると主張することができます。

登記が必要な物権変動

・解除と登記

例えば、Aさんが自己所有の土地をBさんに売却し、さらにBさんはその土地をCさんに転売した。しかし、Bさんが代金を支払わないのでAさんは債務不履行を理由に契約を解除した。この場合、契約の解除まえにBさんがCさんに転売していたら、Cさんが保護されるには登記が必要です。この場合、AさんとCさんは対抗問題とはなりません。ここでは物権変動の対抗力を主張するための登記ではなく、権利保護要件としての登記が必要とされています。これに対して、解除後にBさんとCさんが契約を結んだ場合、AさんとCさんの関係は、対抗問題であるとされています。この場合に権利がAさんとCさんに二重譲渡されたものと考えられるからです。どちらにも登記をする機会が与えられているので早い者勝ちで処理するのが公平とされます。

・取消と登記

先の例の解除が取り消しに変わっただけと考えれば簡単です。Aさんと取り消し前の第三者であるCさんとの関係については、対抗問題ではありません。取り消し後の第三者との関係では対抗問題となります。これも解除後の第三者と同様に二重譲渡と同じように扱われるので先に登記を備えた方が優先されます。

・時効と登記

取得時効によって所有権を取得した者が登場するケースについて考えます。取得時効とは、一定の要件を満たして、10年間か20年間、他人のものを使っていると、所有権などの権利を取得できる制度のことです。これも時効完成前に譲り受けた場合と時効完成後に譲り受けた場合の2つのケースが考えられます。時効完成前の第三者の場合は、当事者同士の関係と考えられ、対抗問題ではないとみなされます。よって、登記がなくても主張することができます。一方時効完成後の第三者の場合は、対抗問題とされています。これも先ほどまでと同様に、二重譲渡とかんがえられ、先に登記を備えた方が優先されます。