takanori_takkenの日記

2020年宅建士合格を目指して勉強していくブログです。宅建士の勉強をする中で分かったことなどを主に書いていきます。

宅建業法

宅地建物取引業の定義

免許が必要な宅地建物取引業とは、「宅地」や「建物」の「取引」を「業」として行うことをいいます。そして、免許を受けて宅建業を営むの者のことを「宅地建物取引業者宅建業者)」といいます。

「宅地」の定義

まず、今現在建物がある土地は「宅地」です。登記簿上の土地の利用目的としての地目とは関係がありません。つまり、判断基準は現況ですので、例えば、登記簿上の地目が田、畑であっても、今現在建物があるなら「宅地」です。

また、今現在建物はないけれど、建物を建てる目的で取引をする土地も「宅地」です。 

さらに、今現在建物はなく、建てる目的で取引をするわけでもないのですが、用途地域内にある土地であれば「宅地」です。用途地域とは、建物の用途ごとに分けられた地域のことです。このようと地域では、建物が建つところが指定されているので、「宅地」とされます。ただし、用途地域内にある土地であっても、現に道路、公園、河川、水路、広場の用に供せれられている土地は、「宅地」から例外的に除かれます。その土地には、もはや建物が建たないからです。なお、現在それらでないなら、道路「予定地」や公園「予定地」とされていても「宅地」です。

「建物」の定義

いわゆる「一戸建て」だけでなく、建物の一部であるマンションの専有部分も「建物」です。

「取引」の定義

「取引」では、関わり方に、自らが当事者になる場合、代理で取引をする場合、取引の間を取り持つ媒介の3種類があります。また、取り扱う契約のタイプも売買契約、交換契約、賃貸借契約の3種類があります。ただし、自らが当事者になり、賃貸借契約を行う場合は「取引」に該当しません。したがって、貸ビル業や貸駐車場、貸マンション経営などは取引にあたらず、宅建業の免許は不要です。また、自ら貸借を行う者は、宅建業法上の規制も受けません。さらに、自ら転貸借も自ら貸借ですから、取引には含まれません。その他、マンション管理や建築請負も、取引に含まれません。

「業」の定義

「業」とは、不特定多数を相手に、反復または継続して行うことです。そして、関わって来るいろいろな多くの人たちが迷惑を被るかもしれないからこそ、免許を受ける必要があります。

1、「不特定多数」とは

対象が多数であっても、例えば、取り扱う仕事の相手が「一定の範囲の人に限定されている場合」など特定されていれば、「業」には該当しません。

2、「反復または継続して」とは

これは、「繰り返して、ずっと行う」という意味です。他方、例えばAさんが持っている土地を「一括してBさんに売る」という場合は「業」には該当しません。

3、「営利生」とは

「業」にあたるか否かの判断には、営利目的の有無は関係ありません。例えば、営利法人ではない学校法人や宗教法人のような公益法人が行う場合でも、「業」に該当します。また、他の業務のサービスの一環として、あるいは付帯業務として、無報酬で斡旋などを行う場合でも、「業」に該当します。

事務所の定義

宅建業法上の事務所とは、次の1〜3です。なお、商業党記簿に登載されているか否かは無関係です。

1、まず、本店(主たる事務所)です。本店は、そこで直接宅建業を営んでいなくても、支店(従たる事務所)で宅建業を営んでいるならば、事務所にあたります。

2、次に、宅建業を営む支店(従たる事務所)です。本店と異なり、宅建業を営んでいる視点のみが宅建業法上の事務所とされ、営んでいない支店は事務所にカウントされません。

3、さらに、継続的に業務を行う事ができる施設を有する場所で、宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置くところも、事務所です。建物の中にあるような施設で、支配人などがいるところです。一時的な出張所は含まれません。例えば、営業所などです。

宅建業者の免許の種類と効力

・免許の種類

宅建業を行う場合に受けるべき免許には、都道府県知事免許と国土交通大臣免許の2種類があります。この2つの区別のポイントは、事務所の設置場所です。事務所が1つの都道府県内にあるならば、たとえ何ヶ所あっても都道府県知事免許、2つ以上の都道府県にまたがる場合は、国土交通大臣免許です。

・免許の申請

免許の申請が行われた時に欠格要件に該当しないならば、免許権者は免許証を交付します。また、国土交通大臣免許を申請しようとする者は、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して申請します。さらに、免許検車は、免許を与えるに際して、一定の条件を付することもできます。

・免許の効力

免許の有効期限は5年です。そして、免許は全国で有効です。例えば、東京都知事免許を持っている業者であっても全国で仕事をする事ができます。

免許の欠格要件

・免許の欠格要件のポイント

まず1つ目のポイントは、「免許申請者自身」が「ふさわしくない」場合です。ここでの「ふさわしくない」という欠格要件は大きく5つに分類できます。

  1. 宅建業者Aが免許を受けて営業していたが、一定の事由で免許取消処分を受け、そして、その後改めて免許を申請する場合
  2. 犯罪を犯して刑罰を受けた場合
  3. 暴力団員がらみの場合
  4. 宅建業に関して不当なことを行ったなどの場合
  5. 能力がない場合
次に2つ目のポイントは、免許申請者の「関係者」が「ふさわしくない」場合です。申請者であるAさんやA社には問題がないものの、AさんやA社の関係者が以下の1〜8のようにふさわしくない場合などには、AさんやA社には免許が与えられません。

そして、3つ目のポイントが「その他の理由」です。

・「ふさわしくない」とはどんなことか

これから見ていく1〜3は、一旦免許を受けた後に、一定の理由で免許を取り消された場合です。4は犯罪・刑罰がらみ、5は暴力団がらみ、67は宅建業に関して不適当なことをした場合、8は能力が不足している場合です。

1、次の1〜3のいずれかの事由に該当していて宅建業の免許を取り消され、その取り消しの日から5年を経過していない者

  1. 不正の手段で免許を受けた
  2. 業務停止処分事由に該当し、情状が特に重い
  3. 業務停止処分に違反した
2、上記1〜3の事由による免許取消処分の聴聞の期間及び場所の公示日から処分までの間に、相当の理由なく廃業等の届出をしたもので、その届け出の日から5年を経過しない者
ここでは、「業務停止処分」ではなく、「免許取消処分」の聴聞の期間及び場所の公示日であることに注意が必要です。

3、1と2のケースで、宅建業者が法人の場合、聴聞の期日及び場所の公示日前60日以内に、役員であった者等

ここでいう役員とは、取締役・執行役といった名称がつけられているものだけでなく、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対して取締役等と同等以上の支配力を有する者を指します。

4、次の2つに該当する者で、刑の執行が終わり、または執行を受ける事がなくなった日から5年を経過しない者

  1. 宅建業法違反、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反、傷害罪・障害現場助勢罪・暴行罪・凶器準備集合結集罪・脅迫罪・背任罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪により罰金刑に課せられた者
  2. どんな犯罪であれ、禁錮刑以上の刑に処せられた者
執行猶予期間が満了した者や控訴や上告中の者は免許を受ける事ができます。

5、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律2条6号に規定する暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

6、免許申請前5年以内に、宅建業に関し不正または著しく不当な行為をした者

7、宅建業に関し、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者

例えば、指定暴力団の構成員などです。

8、心身の故障により宅建業を適正に営む事ができないものとして国土交通省令で定めるもの・破産者で復権を得ない者

・免許申請者の「関係者」

9、営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であり、かつ法定代理人が1〜8のいずれかに該当する者

10、役員または政令で定める使用人が1〜8のいずれかに該当する者

11、その事業活動を支配するものが暴力団員等である者

・免許の申請手続き等その他の欠格要件

次のように、手続きに嘘がある場合なども、免許は受けられません。

12、免許申請書やその添付書類中の重要な事項に、虚偽の記載があったり重要な事実の記載漏れがある者

13、事務所ごとの専任の宅地建物取引士の設置要件を欠く者

免許の更新

有効期間が満了しても業者として仕事を続ける場合は、免許の更新申請が必要です。そして、更新申請は、有効期間満了日の90日前から30日前までの間にしなければなりません。

ところが、免許の更新申請をしたのに、満了日が来てもまだ免許が出されていない場合、有効期間の満了日から新たな免許が出るまでの間は、従前の免許が効力を有します。

更新後の免許の有効期間は、従前の免許の有効期間の満了日の翌日から5年間です。

届出事項等

宅建業者名簿と変更の届出

宅建業者名簿は国土交通大臣都道府県知事のところに備え付けられ、一般の閲覧に供されています。宅建業者名簿の名称に関する事柄の変更があった場合には、変更の届出をしなければいけません。

・免許証

免許証の一定の記載事項に変更が生じたときは、「変更の届出」と合わせて、免許証の書き換え交付の申請をしなければなりません。また、免許証を亡失・破損したときは、免許証の再交付申請が必要です。さらに、宅建業を廃業したり免許の取り消し処分を受けたときは、免許証を返納しなければなりません。なお、免許の有効期間が満了することによって免許の効力が失われた場合は、免許証の返納は不要です。

・廃業等の届出

まずは、誰がその届出を行うのかというと、本人が死亡した場合は、当然その相続人です。破産手続き開始の決定の場合は、本人ではなく破産管財人です。廃業の場合は本人か代表役員です。法人の解散の場合は、清算手続きを行う清算人が届出を行います。法人の合併による消滅の場合は、消滅会社の代表役員が届出を行います。

期限はいずれも「30日以内」です。死亡の場合は、相続人が亡くなった事実を「知った日」から30日以内です。それ以外はその現象が起きた日から30日以内です。

死亡と合併消滅の場合は、その時に免許が失効します。その他の場合は届出時に失効します。

免許換え

免許換えとは、事務所が増えたり減ったりした結果、免許権者が変わることです。

・免許換えが必要な場合

1、国土交通大臣免許から都道府県知事免許に免許換えが必要な場合

例えば、東京都と千葉県に事務所を持っていたAさんが千葉県にある事務所を全部廃止した時です。この場合Aさんは東京都知事へ、直接免許換えの申請を行います。

2、都道府県知事免許から国土交通大臣免許に免許換えが必要な場合

先の例の逆のパターンです。この場合、国土交通大臣に免許換えを申請する必要がありますが、主たる事務所の所在地を管轄する知事を経由して行います。

3、都道府県知事免許から、他の都道府県知事免許に換える場合

例えば、Cさんは東京都内にしか事務所がなかったのですが、東京都内の事務所を廃止して、千葉県内だけに事務所を設ける場合です。この場合、Cさんは千葉県知事へ、直接免許換えの申請を行います。

・免許換えの通知と効果

免許換えをする場合、宅建業を辞めるわけではないので、廃業の届出を行う必要はありません。なお、国土交通大臣または都道府県知事は、新たに免許を与えた時には、遅滞なく、その旨を従前の免許権者に通知する事が必要です。そして、免許換えをした後の免許の効力は、新たな免許を取得した時から5年間です。なお、必要な免許換えを行わなかった場合は、免許が取り消されます。

「みなし業者」と無免許営業の禁止

・免許の一身専属

免許には、「その人に対してのみ」与えられるという、一身専属的な性格があります。なので、相続や合併等によっては承継されません。

・みなし業者

死亡した宅建業者の相続人や合併後の法人、宅建業者であった者は、すでに締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内では、宅建業者とみなされます。これをみなし業者といいます。

・免許がなくても宅建業を営む事ができる特例

国や地方公共団体都市再生機構地方住宅供給公社などは、お客さんを害するようなことはしないと想定され、宅建業法の規定はすべて適用されません。従って、免許も不要です。しかし、これには農業協同組合は含まれません。また、破産管財人が、破産団体の換価のために自ら売主として売却する場合も免許不要です。ただし、国・地方公共団体等からの代理・媒介の依頼を受けた者は、免許不要とはなりません。

信託会社や信託業務を兼営する金融機関は、国土交通大臣に「届出」をすれば、国土交通大臣免許を受けたものとみなされます。宅建業法の免許の規定が適用されないので、宅建業の免許を受ける必要はありませんし、免許取消処分も受けません。しかし、免許に関すること以外の宅建業法の規定は、指示処分等の監督処分も含めて適用されることに注意が必要です。

・無免許営業等の禁止

免許制度がある以上、無免許営業や名義貸しは禁止され、違反したものに対しては厳しい処分が行われます。