takanori_takkenの日記

2020年宅建士合格を目指して勉強していくブログです。宅建士の勉強をする中で分かったことなどを主に書いていきます。

報酬額の制限規定

報酬額を制限する規定

媒介や代理を行って、お客さんのために売買・交換・賃借の契約成立に務めた宅建業者は、当然報酬を受け取ることができますが、暴利を貪ることのないように、宅建業法では、消費者保護のためにその報酬の額を制限しています。

・報酬額に関する規定

宅建業者国土交通大臣が定める額を超えて報酬を受け取ることはできません。また、不当に高額の報酬を要求してはなりません。実際に受け取るかは関係なく、要求すること自体が違反になります。

宅建業者は、事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、報酬額を掲示しなければなりません。

・報酬の範囲

宅建業者は、業者の媒介や代理等により成約に至った場合に、報酬を受領することができます。成功報酬です。成約に至らなかった場合は、報酬のみならず、かかった必要経費等も請求することができません。ただし、次の費用は、成約に至らなくても、実費を請求することができます。

1つめは、依頼者からの依頼によって行う広告料金です。

2つめは、依頼者からの特別の依頼により支出を要する特別の費用で、事前に依頼者の承諾があるものです。また、代金が400万円以下の低廉な空き家等で、通常の売買・交換の媒介・代理よりも現地調査等の費用を要するものに関しては、宅建業者の調査費の負担軽減のために、「報酬額の計算方法」に従って報酬額を計算した金額に、現地調査等の費用相当額を合算した金額の範囲内で報酬を受領できるとされています。

消費税

・消費税の課税事業者と免税事業者

商品の販売やサービスの提供を行う事業者で、課税売上高が1000万円を超える場合は課税事業者、それ以下の場合は免税事業者です。

宅建業者と消費税

1、課税と非課税

課税の対象となるもの

建物、非居住用建物、宅建業者の報酬など

非課税となるもの

土地、居住用建物など

2、報酬と消費税

宅建業者が行う媒介や代理という「サービス」への消費税は、課税事業者の場合は、消費税相当額を含んだ額が報酬の上限額となります。そして、免税事業者の場合も、消費税相当額の40%(つまり4%)を報酬に含ませることができます。

報酬額の計算方法

・報酬額計算の基本のポイント

  1. 売買・交換契約なのか、賃借契約なのかを区別すること。
  2. 宅建業者が媒介という形で関わるのか、または代理という形で関わるのかを区別すること。
  3. 宅建業者が課税事業者なら消費税相当額を含んだ額を、免税事業者なら、その40%の仕入れにかかる消費税相当額(4%)を含んだ額を 、それぞれ報酬として受領できる点に注意すること。
・売買、交換の場合

1、媒介の場合

媒介の場合、依頼者一方から受け取れる限度額は「M」です。この限度額「M」には、消費税相当額を含んでいませんので、報酬の上限額を算定するには、消費税相当額をプラスする必要があります。

「M」の計算式(「速算方」)

  • 物件価格200万円以下の場合…M=「物件価格」×5%
  • 物件価格200万円を超え400万円まで…M=「物件価格」×4%+2万円
  • 物件価格400万円を超える…M=「物件価格」×3%+6万円

物件価格とは、消費税を含まない本体価格を指します。従って、消費税込みの場合は、消費税分を差し引いた額が物件価格となります。なお、交換の場合でお互いの物件価格に差があるときは、高い方の金額を採用して計算することができます。

2、代理の場合

代理の場合は、依頼者から2M受け取れます。媒介では、双方から依頼を受けることもあり得るのに対して、代理は一方からしか依頼を受けれないので、媒介と代理の場合で報酬にギャップが生じないように、代理の場合は2M受け取ることができます。

3、代理と媒介の場合

例えば、Aさんからは代理、Bさんからは媒介の依頼を受けるとします。このとき業者が受け取ることのできる限度額は合計で2Mです。

・賃借の場合

まず、賃借の場合は、原則として賃料をもとに報酬額を計算します。業者が受け取れる合計額は、媒介の場合でも代理の場合でも、賃借の1ヶ月分が上限です。ただし、居住用建物の賃借の媒介の時には、依頼者の承諾を得てる場合を除き、依頼者一方から受け取れる報酬は、借賃の2分の1ヶ月分が限度です。ただし、依頼者の承諾を得ているときは、依頼者の一方から、借賃の2分の1ヶ月分を超えて受け取ることも可能です。もちろんこの場合でも合計で1ヶ月分が限度です。

なお、居住建物以外の媒介なら、このような内訳の制限はなく、双方どのような割合であっても、1ヶ月分を上限として受領できます。

賃借で「権利金」が受け渡される場合について。権利金とは、権利設定の対価として支払われ、返還されないもののことです。居住用建物以外の賃借の場合には、権利金を売買代金としてみなして、限度額の算定をすることができます。つまり、売買の場合の「物件価格」のところに、権利金の額を当てはめて計算できるのです。そして、借賃の1ヶ月分か、権利金から算出された金額のいずれか高い方を業者が選択できます。なお、以上のことは、定期建物賃貸借の再契約の場合にも当てはまります。

・複数の宅建業者が関わる場合

まず、各業者が受領できる限度額内でなければなりません。例えば、AさんがX業者に媒介を依頼し、BさんがY業者に媒介を依頼した場合、XはAさんからの媒介ですからMが上限です。同様にYの上限もMです。

さらに、もう1つ条件が加わります。複数業者全体として受け取ることができる金額は、全業者を1人の業者とみなして受領できる限度額内になります。先の場合だと2Mです。このことは、賃借の場合も同様です。