takanori_takkenの日記

2020年宅建士合格を目指して勉強していくブログです。宅建士の勉強をする中で分かったことなどを主に書いていきます。

都市計画法

都市計画法の目的

都市計画法の目的は、住み良い街を作ることです。そのために、積極的に都市計画を実施していく場所を定めます。ここでは、一体の都市として総合的に整備・開発・保全を図っていくための規制を加えたり、公共施設を整備したりといういろいろなプランを実現していきます。このように、積極的に住み良い街を作っていくところが、都市計画区域です。

都市計画区域の指定

都市計画区域の指定権者

原則として、都道府県知事です。例外は、2以上の都道府県にまたがる都市計画区域の場合です。このときは、国土交通大臣が定めます。

都市計画区域の指定手続き

  1. まず、都道府県の案について、関係市町村の意見を聴きます。

  2. 次に、利害関係者の保護や専門的な判断のために、都道県都市計画審議会の意見を聴きます。
  3. さらに、国の利害が関わってくる可能性がありますから、国土交通大臣と協議をし、その同意を得ることが必要です。
  4. 最後に、指定した内容についての公告が行われます。 

準都市計画区域の指定

準都市計画区域の意義と指定権者

都市計画を策定し、開発規制や建築規制を加えて土地利用を整序し、または環境を保全することを目的として設けられたのが、準都市計画区域です。詳しく言えば、都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物やその他の工作物の建築、もしくは建設、またはこれらの敷地の造成が現に行われ、または行われると見込まれる区域を含み、土地利用の整序や環境を保全するための措置を講ずることなくそのまま放置した場合、将来における一帯の都市としての整備・開発・保全に支障が生じる恐れがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定できるということです。

準都市計画区域における都市計画区域の指定

準都市計画区域の全部、または一部について、都市計画区域が指定された場合は、その準都市計画区域は、「廃止された」等とみなされます。つまり、都市計画区域準都市計画区域が重なることはありません。

都市計画の全体像

・都市計画の種類

  1. 都市系各区区域の整備・開発及び保全の方針
  2. 市街化区域・市街化調整区域
  3. 都市再開発方針等
  4. 地域地区
  5. 都市施設
  6. 市街地開発事業
  7. 市街地開発事情等予定区域
  8. 促進区域
  9. 遊休土地転換利用促進地区
  10. 地区計画等
  11. 被災市街地復興推進地域
・区域や地域を分ける

住み良い町づくりのためには、都市計画区域の中をより細かな区域や地域に分けていく必要があります。そして、その区分に応じて様々なプランを実現していき、開発や建築を規制します。

まず、区域区分です。市街化を積極的に進めようとする市街化区域と、市街化を抑制しようとする市街化調整区域の2つに分けることができます。線を引いて分けるので、線引きともいいます。つまり、最初に都市計画区域の中を用途に応じて色分けするのです。他方、「線引き」をしない都市計画区域のことを、非線引き都市計画区域といいます。

さらに住み良い街にするために、市街化区域の中には、必ず用途地域を定めます。この「用途地域」とは、建物の用途に応じて地域を分けたもので、都市計画のうちで最も基本的なものです。

都市経過空域の整備、開発及び保全の方針

全ての都市計画区域単位で、より広域的な県力、都市計画として当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定めます。これらを、いわゆる「都市計画に関するマスタープラン」といいます。そして、各都市計画区域について定められる都市計画は、このマスタープランに即したものでなければなりません。

市街化区域と市街化調整区域

・定義

  1. 市街化区域とは、建物をどんどん建てて欲しいし、開発もどんどん行って欲しい区域です。
  2. 市街化調整区域とは市街化を押さえたい、農業、漁業等をやって欲しい、また、自然環境を残しておきたい区域です。
  3. 非線引き都市計画区域は、今現在、市街化区域と市街化調整区域に分ける必要がない区域です。
区域区分の決定

都市計画区域について、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るために必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分を定めることができます。市街化の状態などの地域の実情に応じて、線引きをするかどうか、区域ごとにその必要性を判断する、つまり、区域区分にするかどうかについては選択制が取られているということです。ただし、3大都市圏の一定の区域では、必ず区域区分を定めるとされています。

地域区域

用途地域

1、種類と定義

用途地域は大きく3つのタイプに分類され、合計で13種類あります。3つのタイプとは、住居系、商業系、工業系です。そして、住居系とは、人が住むことを目的とした用途地域であり、商業系とは、商売がやりやすいように設けられた用途地域です。工業系とは、工場を立てて工場を推進するために用意された用途地域です。

(1)住居系

  1. 第1種低層住居専用地域
  2. 第2種低層住居専用地域
  3. 田園住居地域
  4. 第1種中高層住居専用地域
  5. 第2種中高層住居専用地域
  6. 第1種住居地域
  7. 第2種住居地域
  8. 準住居地域
(2)商業系
  1. 近隣商業地域
  2. 商業地域
(3)工業系
  1. 準工業地域
  2. 工業地域
  3. 工業専用地域

市街化区域については、少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域については、原則として用途地域は定めないとされています。

2、都市計画に定める内容

都市計画で用途地域を定めるときに、その地域にマッチした建築物が作られるように、同時に建築すること自体についての規制を具現化させています。

容積率は、全用途地域について、都市計画で定めます。

建蔽率は、商業地域を除いた他のすべてのようと地域について、都市計画で定めます。

用途地域については、必要があれば敷地面積の最低限度を定めることができます。その結果、小さな敷地に分割することが防げます。

また、低層住宅の良好な環境を確保するため、低層住居専用地域や田園住居地域では当然、高さに制限を加える必要がありますから、建築物の高さの限度を都市計画で定めます。さらに、より良い環境を目指して、必要があれば、外壁の後退距離を定めることもできます。

3、田園住居地域における建築等の規制

田園住居地域では、農地が維持され、農業が行われるように、農地の区域内において、土地の形質の変更、建築物の建築その他工作物の建設・土石等の堆積を行うものは、非常災害のため必要な応急措置や都市計画事業の施行として行う行為などの例外を除いて、原則として、市町村長の許可を受ける必要があります。この場合、市町村長は土地の形質の変更や建築物の建築等で、その土地や建築物等の敷地の規模が300㎡未満のものなどについては、許可をしなければなりません。

・特別用途地区

特別用途地区は、用途地域ないの一定の地区の、その特性にふさわしい土地利用の増進や環境の保護などの特別の目的を実現するために、用途地域の指定を補完して定めることができます。そのために、建築基準法の用途制限を緩和することもできるのです。ここで注意が必要なのは、「用途地域に重ねて」ということです。

・特定用途制限地域

用途地域が定められていない土地の区域内では、良好な環境の形成・保持のため、その地域の特性に応じた合理的な土地利用が行われるように、制限すべき特定の建築制限すべき特定の建築物等の用途概要を定める地域として、特定用途制限地域を定めることができます。

・特例容積率適用地区

異なる敷地間での容積率の融通を互いに認めることによって、土地を有効活用することを目的とした地区で、低層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域「以外」の用途地域内において定められます。なお、特例容積率適用地区においては、建物が高くなりすぎないように、必要があれば、建築物の高さの最高限度を都市計画に定めることができます。

・高層住居誘導地区

土地を住居と住居以外の用途とに適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するために定められる地区のことです。用途地域としては、第1種住居地域・第2種住居地域準住居地域・近隣商業地域・準工業地域内において定められ、必要があれば、建築物の容積率の最高限度などが定められます。

・その他の地域地区

1、用途地域内のもの

高度地区とは、建築物の高さを揃えるところです。低層住宅地における日照りを確保したり、土地の有効活用のために高層化を進める目的で定めます。ここでの高度は「高さ」を意味しますので、「高さ」がキーワードです。それに対して、高度利用地区の高度は、「有効利用」を意味します。例えば、同じ敷地なら大きな建物を建てたほうが土地の有効利用になるので、そのために容積率の数値を調整したりします。つまり「容積率」がキーワードです。

2、用途地域外でもOKのもの

特定街区は、例えば、新宿の高層ビル街などのような超高層ビルを作る目的で、建築に関する規制を大幅に緩和するところです。

防火・準防火地域とは、人口密集地や繁華街などにおいて、家事やその延焼を防ぐ目的で定められる地域です。具体的な規制は、建築基準法で定めています。

風致地区とは、自然の美しさを維持する目的の地区です。例えば、神奈川県の鎌倉山などをイメージすれば良いでしょう。なお、そのための規制は、地方公共団体の条例で行います。

準都市計画区域内で定めることができる地域地区

積極的な街づくりではなく、逆に土地利用を整序し、環境を保全するためのところです。従って、次のような地域地区を定めることができます。それは、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区、風致地区などです。

都市施設

・都市施設の種類

都市施設とは、道路・公園・水道・学校・図書館・病院・市場・団地など、良好な都市生活を維持するために必要な施設のことです。なお、都市施設の中でも、特に都市計画によって定められたものを都市計画施設といいます。

・都市施設の内容

1、定める場所

例えば、道路は山の中など市街地以外にも通っています。そのように、都市施設は、特に必要がある時は、都市計画区域外にも定めることができます。

2、定めるべき内容

市街化区域及び非線引き都市計画区域では、少なくとも道路、公園、下水道を定めます。また、住居系の用途地域は、人が住むところですので、そこでは義務教育施設は必ず定めなければいけません。

3、大規模な都市施設

区域の面積が20ha以上の一団地の住宅施設、一団地の官公庁施設、流通業務団地の3つがあります。

市街地開発事業

積極的なまちづくりの事業である市街地開発事業には、新住宅市街地開発事業、土地区画整理事業市街地再開発事業など、全部で7種類があります。これらの市街地開発事業は、市街化区域または非線引き都市計画区域内においてのみ定められ、市街化を押さえたい市街化調整区域や準都市計画区域では定められません。

地区計画等

・地区計画等の種類と内容

地区計画等とは、小規模の地区レベルで、その地域の特性にマッチするような細かな街づくりを目的とした、小さな街づくりのプランです。なお、地区計画等には、地区計画に加えて、防災街区整備地区計画、集落地区計画、歴史的風致維持向上地区計画などがあります。

・地区計画

地区計画とは、建築物の建築携帯、公共施設等の施設の配置等から見て、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備・開発したり、保全したりするための計画のことです。

1、対象区域

地区計画は、次のいずれかに該当する土地の区域に指定されます。

  • 用途地域が定められている区域なら、地区計画を定めることができます。
  • 用途地域が定められていない区域では、不良な街区の形成を防止する等一定の場合に限定されてはいますが、地区計画を定めることもできます。
  • 準都市計画区域においては、地区計画は定めることができません。

2、都市計画に定める内容

地区計画に関する都市計画には、種類、名称、位置、その区域や地区整備計画を定めるとともに、区域の面積、当該地区計画の目標や整備・開発・保全に関する方針等を定めるよう努めるとされています。さらに、一定の場合、道路などの公共施設や大規模なショッピングモールなどの商業施設の整備を図るために、再開発等促進区や開発整備促進区という区域を、都市計画に定めることもできます。

3、地区整備計画

地区施設の配置・規模、容積率の限度、建蔽率の限度、建築物の高さの限度などについて、必要な事柄を定めることで地区計画を具体化するための計画が地区整備計画です。ただし、市街化調整区域内の地域整備計画においては、市街化を抑えるため、建築物の大規模化を促進させることにつながる「容積率、建築物の建築面積や高さの最低限度」は定めることができません。

・制限の内容

地区計画の方針に反する行為を抑制するため、地区計画の区域内では、建物の建築などに、次のような制限が加えられます。

1、届出が必要な行為(届出制)

次の行為をする時は、あらかじめ届け出が必要です。

  • 土地の区画形質の変更
  • 建築物の建築・工作物の建設等
なお、この規制は「届出制」であること、また、地区計画は市町村単位で行われる小さな街づくりですから、届け出先は市町村長であること、さらに、その届け出は、行為に着手する日の30日前までに行う必要があります。

2、届出不要の行為

一方で、例外として、届け出が不要な次の場合があります。

  • 通常の管理行為、軽易な行為
  • 非常災害のための必要な応急措置として行う行為
  • 国または地方公共団体が行う行為
  • 都市計画事業の施行として行う行為
  • 開発許可を要する行為  等
3、市町村長の勧告

市町村長は、届け出があった場合で、その行為が地区計画の内容に適合しないと認める時は、その届け出をしたものに対し、設計の変更などの必要な措置をとることを勧告することができます。