takanori_takkenの日記

2020年宅建士合格を目指して勉強していくブログです。宅建士の勉強をする中で分かったことなどを主に書いていきます。

営業保証金

営業保証金とは

宅建業者として仕事を始める前に、まずは供託所にお金を預けておくという仕組みが設けられています。これが、営業保証金です。これによって、お客さんは、業者から支払ってもらえない時でも、ここからお金を払ってもらう事ができます。

営業保証金制度の仕組みは、宅建業者が供託所にお金などを預ける事である供託、 お客さんが供託所からお金をもらう事である還付、業者が供託所からお金を返してもらう事である取戻しの3つに大きく分ける事ができます。

営業保証金の供託と営業の開始時期

・営業保証金の供託

営業保証金の供託は、宅建業者が、供託所に対して行い、その金額は主たる事務所は1000万円、従たる事務所は1カ所に付き500万円の合計額と定められています。供託は現金(金銭)または一定の有価証券でも可能です。有価証券は株券、手形、小切手などの信用力が不安定なものは認められません。そして、その信用力によって評価が違ってきます。国際は80%の評価、地方債や政府保証債は90%、その他の有価証券は80%の評価です。なお、満期となった国債を地方債に替えるなど、すでに供託している営業保証金を他のものと差し替えることを、営業保証金の変換といいます。供託する場所は、主たる事務所の最寄りの教卓序で、支店分も合わせて全額一括で供託します。

・免許取得から営業開始までの流れ

宅建業者は、まず免許を取得し、お客さんの安全のために保証金を供託し、供託書の写しを添えて、供託した旨を自分が免許を受けた免許権者に届出をした後でないと、業務を開始してはなりません。

もし供託した旨の届け出をいつまでもしない場合は、まず免許権者は、免許をした後、3ヶ月経っても供託した旨の届け出がない場合、その届け出をするように催告します。次に、その催告が到達してから1ヶ月経っても業者が供託した旨の届け出をしない場合は、免許権者は免許を取り消す事ができます。

・事務所を増設する場合

事業の開始後に、事業拡大で事務所(支店)を増設するという場合は、営業保証金が従来のままでは不十分なので、事務所増設の時は、あらかじめその事務所の分の営業保証金を本店の最寄りの供託所に供託しなければならず、また、免許権者に供託した旨の届け出をした後でなければ、その事務所は業務を開始できません。

・保管替えなど

主たる事務所が引っ越しなどで移転した場合は、供託所を、移転後の本店の最寄りのところに替える必要があります。その方法には、2つのタイプがあります。

1、まず、保証金を金銭のみで供託している場合は、保管替えの請求を行います。これは、遅滞なく費用を予納して、A市にある現在のA供託所に対して「B市の供託所に供託先を替えてください」と請求する事です。

2、それに対して、有価証券だけ、または、金銭と有価証券の両方で供託をしている場合は、保管替え請求ではなく、まず先に、移転先のB市の供託所に現実に供託をしなければなりません。この時は、二重供託の状態になるので、後でA市の供託所から保証金を取り戻します。

営業保証金の還付

供託しているお金がお客さんのために使われることを還付といいます。

・還付を受ける事ができるもの

宅建業者宅建業に関し取引をしたもので、その取引により生じた債権を有するものが還付を受ける事ができます。

・還付金額

還付を受ける事ができる金額は、本店・支店どこで取引をしても、その業者が供託している営業保証金の範囲内です。

・不足額の供託

お客さんが還付を受け取り、営業保証金に不足が生じた場合には、「不足額を供託しなさい」という免許権者から通知書の送付を受けた日から2週間以内にしなければなりません。さらに、供託をしてから2週間以内に、供託書の写しを添えて免許権者に届け出なければいけません。これらを怠ると、業務停止処分または免許取消処分を受けます。

営業保証金の取り戻し

・取り戻しが出来る事由

取り戻しには、その事由によって、全部を取り戻すことが出来る場合と、一部を取り戻す事ができる場合の2つに分かれます。

1、全部を取り戻す事ができるのは、次のような場合です。

  1. 免許の更新をしなかったり、免許取消処分を受けたなど、宅建業者としての仕事ができなくなったとき
  2. 有価証券を含んで営業保証金を供託している宅建業者が、主たる事務所移転のため移転先の供託所に営業保証金を供託し直したとき
  3. 保証協会の社員となり、弁済業務保証金制度を利用することになったとき
2、一部を取り戻す事ができるのは、事務所を一部廃止したために、供託している金額が政令で定める金額より多くなった場合

・取り戻しの手続き

取り戻しの際、宅建業者は6ヶ月以上の期間を決めて、取引による債権を持っているお客さんに対して「権利を早く申し出てください」という旨の公告をする事が必要です。その後、遅滞なく、公告した旨を免許権者に届け出なければなりません。そして、その期間経過後に保証金を取り戻す事ができます。

例外として公告不要で、直ちに取り戻す事ができる場合があります。まず、二重供託状態になっているときです。次は、保証協会の社員となったことにより、営業保証金の供託が不要となったときです。最後に、取り戻し自由が発生してから、10年が経過したときです。

宅地建物取引業保証協会

・弁済業務保証金とは

営業保証金と同様の制度で、保証協会が間に入っている店が営業保証金との違いです。まず、宅建業者弁済業務保証金制度を利用しようとする場合は、弁済業務保証金分担金を納めて、保証協会の会員になる必要があります。お客さんが還付を受ける場合は、保証協会による認証の必要があり、認証を受けた金額を供託所に請求して還付を受けます。

・保証協会の業務

保証協会とは、国土交通大臣の指名を受けた一般社団法人であり、宅建業者のみを社員とする団体です。保証協会の業務には、必要的業務と任意的業務の2つがあります。

1、必要的業務には、苦情の解決、宅建業に関する研修、弁済業務があります。

2、任意的業務には、国土交通大臣の承認を受けて保証協会が行うことにできる業務のことで、一般保証業務、手付金等保管業務、宅建業者団体に対する研修費用の助成、宅建業の健全な発展を図るために必要な業務の4つがあります。

保証協会への加入

社員・保証協会・供託所の仕組み

宅建業者は、保証協会に加入した場合は、弁済業務保証金のシステムを使うことになります。加入は任意ですが、重ねて2つの保証協会に入ることはできません。

・加入の手続き

宅建業者が新たに保証協会に加入した時は、保証協会は、直ちにその旨を業者の免許権者に報告しなければいけません。また、保証協会は、社員が社員となる前に取引したものが有する債権に関する弁済によって自己の弁済業務の円滑な運営に支障を生ずる恐れがあると認める時は、その社員に対し、担保の提供を求める事ができます。

1、弁済業務保証金分担金の納付

宅建業者は、保証協会に加入するまでに、分担金を納めなければなりません。その額は、本店が60万円、支店は1カ所につにつき30万円です。分担金の納付は金銭のみです。

2、弁済業務保証金の供託

保証協会は、宅建業者から分担金の納付を受けた時は、その日から1週間以内に、納付相当額分の弁済業務保証金を供託しなければなりません。弁済業務補償金は、分担金と異なって、有価証券でも可能です。

そして、保証協会が弁済業務保証金を供託した場合には、納付した宅建業者の免許犬舎に対して届け出なければなりません。

・事務所を増設した場合

宅建業者は、増設した日から2週間以内に、増設にかかる額の分担金を保証協会に納めなければなりません。営業保証金と違って、事務所を増設した後、つまり事後納付です。

・社員たる地位を失った場合

分担金を納めない場合には、社員たる地位を失います。地位を失った後も宅建業者として仕事がしたいなら地位を失った日から1週間以内に、営業保証金を供託しなければなりません。

保証協会による弁済業務

・弁済業務保証金の還付

還付を受ける事ができる債権者は、営業保証金と同じです。さらに、社員が社員となる前に取引したものもこの中に含まれます。

還付の限度額は、その業者が営業保証金制度を利用していた場合に、還付を受ける事ができる額に相当する額の範囲内です。

・還付から還付充当金納付までの手続き

まずお客さんは保証協会の承認を受けてから、供託所に還付を請求します。そして、供託序は還付を行った場合、国土交通大臣に対してその旨を提出します。保証協会は、国土交通大臣から通知を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければなりません。

次に、保証協会は宅建業者に通知をし、宅建業者は、保証協会から通知を受けた日から2週間以内に、還付の結果不足が生じた分の穴埋めに充当するため、還付充当金を保証協会に納付しなければなりません。これを期間内に納付しないと社員の地位を失います。

なお、業者が倒産するなどした場合、還付充当金の納付がされない恐れがあるので、それに備えて保証協会は、弁済業務保証金から生じる利息などを積み立てておきます。これを、弁済業務保証金準備金と言います。また、万一不足分が生じた時は、全社員に対して、特別弁済業務保証金分担金を納付すべき旨の通知をすることになります。そして、社員は通知を受けた日から1ヶ月以内に納付しないと、社員としての地位を失います。

弁済業務保証金の取り戻し等

社員である宅建業者に一定の事由が生じた場合、保証協会は、その社員が納付した分担金の額に相当する金額を供託所から取り戻す事ができます。そして、その後、業者が保証協会から、その取り戻し額に相当する分担金の返還を受けることになります。

・取り戻しができる事由

その業者が全額を取り戻す事ができるのは、保証協会の社員でなくなった時です。

一部を取り戻す事ができるのは、支店の廃止によって納付すべき金額が実際の分担金より少なくなった時です。

・取り戻し、返還の手続き

保証協会は、原則として、6ヶ月以上の期間を定めて、債権者に対する保証協会の認証を受けるため申し出るべき旨を公告し、その期間経過後でなければ社員に返還できません。しかし、事務所の一部廃止の場合には、公告をしなくても、直ちに社員に返還できます。