takanori_takkenの日記

2020年宅建士合格を目指して勉強していくブログです。宅建士の勉強をする中で分かったことなどを主に書いていきます。

債権

債権譲渡とは

AさんがBさんに対する債権をCさんに売ってしまうと、そのさいけんはAさんからCさんに移転します。その結果CさんがBさんに対する新債権者になるという、新たな関係ができます。これを債権譲渡といい、Aさんを債権の譲渡人、Cさんを譲受人といいます。

債権譲渡自由の原則

債権は自分の財産である以上、自由に譲り渡すことができるのが原則です。そして、譲渡の時点ではまだ発生していない、将来発生する債権でも、譲渡することができますし、譲受人は発生した債権を当然に取得します。しかし、いくつかの例外があります。その中で重要なのは、当事者の合意によって譲渡できない異にする、譲渡を禁止し、制限する特約(「譲渡制限特約」) が付いている場合です。この譲渡制限特約がある場合でも、AさんがCさんに譲渡したとき、その債権譲渡は、その効力を妨げられません。つまり有効です。ただし、この特約についてCさんが悪意、または重大な過失があった場合、BさんはCさんに対してその債務の履行を拒むことができ、かつ、BさんはAさんに対して弁済等をすれば、そのことをCさんに対抗できます。

債務者への対抗要件

債務者に対して譲渡の事実を主張するためには、譲渡人Aさんからの通知か、債務者Bさんの承諾のどちらか1つ必要です。これは、将来発生する債権の譲渡の場合も同様です。この通知や承諾は口頭でOKです。承諾はAさんとCさんのどちらに対して行っても問題ありませんが、通知は譲渡人のAさん自身が行わなければいけません。

三者に対する対抗要件

これも、譲渡人からの通知または債務者の承諾があれば良いとされています。ただし第三者に対して主張するには、その通知または承諾は、確定日付のある証書(内容証明郵便など)によることが必要です。どちらも確定日付のある証書による通知を受けている場合は債務者に先に到達した方が優先されます。同時の場合はどちらも請求することができます。ただし、債務者はどちらか一方に支払えば、もう一方に支払う必要はなくなります。

債務者の抗弁等

・通知、承諾の効果

例えば、AさんがCさんに1000万円の債権を譲渡する前に、債務者のBさんがAさんに、300万円を弁済していたとすると、BさんはAさんからの通知を受ける、または、承諾するまでにAさんに対して主張できたことをCさんに対しても主張することができます。この場合だとAさんに対して300万円弁済したということを主張することができるのでBさんはCさんに対して残りの700万円を支払えば済みます。

・債権譲渡における債務者の相殺権

債務者のBさんは、対抗要件を具備した時より前に所得した譲渡人Aさんに対する債権による相殺を、譲受人Cさんに対抗することができます。

債権の消滅

債権の消滅する原因には、契約の取消し・解除・時効などの他に7つあります。

1、弁済

例えば、債務者のBさんが、債権者のAさんに、1000万円を支払うこと。その結果、AさんのBさんに対する債権は目的を達して消滅する。

2、代物弁済

弁済をすることができる者が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が他の給付をした時に、債権の消滅という効果が発生すること。

3、供託

例えば、弁済の提供をした場合において、債権者が弁済の受領を拒んだときや、債権者が弁済を受領できない時などに、弁済者が、債権者のために弁済の目的物を供託所に預けてしまって、その債務を免れること。

4、更改

債務の内容を別のものに切り替えること。

5、免除

債権者が無償で一方的に債権を消滅させること。

6、混同

例えば、債務者が債権者を相続した結果、債権と債務が同一人に帰属して債権が消滅すること。

7、相殺

例えば、AさんがBさんに対して1000万円の債権を持っていると同時に、逆にBさんがAさんに対して1000万円の債権を持っている場合に、お互いの1000万円同士で帳消しにすること。

弁済できる者

弁済は本来、債務者がする者ですが、債務者以外の第三者でも可能です。しかし、次の3つの場合のように第三者の弁済が認められない場合があります。

1、債務の性質が第三者の弁済を許さない場合(例 歌手のコンサート)

2、当事者間で「第三者には弁済させない」というような特約がある場合

3、弁済することにつき正当な利益を有しない第三者による弁済で一定の場合

3の一定の場合とは次の二つの場合のことです。一つ目は、債務者の意思に反する時(ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかった時は、弁済は有効)。二つ目は債権者の意思に反する時(ただし、その第三者が債務者の委託を受けてべんさいをする場合に、そのことを債権者が知っていたときは、弁済は有効)。なお、抵当権が設定されている不動産を買った第三取得者は、正当な利益を有する第三者といえます。他に、物情保証人や後順位抵当権者なども、正当な利益を有する第三者です。また、借地状に借地権者が建てた建物を借りている借家人も、家主が支払うべき敷地の地代の弁済については、正当な利益があるとされています。

弁済の相手方

債務者やその代理人等、法令の規定または当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者(受領権者)が弁済を受ければ、当然に債権は消滅しますが、債権者など以外のものに対して行った弁済であっても有効となる場合があります。それは、受領権者としての外観を有するものに対する弁済です。つまり、受領権者以外のものであって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対して弁済がなされたときは、弁済をした者が善意無過失であれば、その弁済は有効となります。

弁済の提供

弁済を完了させるために、債務者としてやるべきことをやった上で、債権者に対して「受け取ってください」とその協力を促すことを、弁済の提供といいます。弁済の提供をしさえすれば、債務者は自分がやるべきことをやっているので、債務を履行しないことによって生ずる責任を免れます。また、弁済を提供すれば、相手方の同時履行の抗弁権を奪うことができます。弁済の提供は、原則として債務の本旨に従って現実にしなければなりません。しかし、例外的に、債権者があらかじめ受領を拒んでいる場合などは、高等の提供で構いません。なお、金銭債務の場合に、銀行の自己宛小切手等と異なって、自分振り出しの小切手を債権者の所に持参しても、支払いの確実性がありませんから、原則として現実の提供とはなりません。

弁済の充当

同じ債権者に対して、同時に複数の債務を負っている債務者が弁済をした際に、どの債務の弁済とするのかが弁済充当の問題です。弁済学が全ての債務を消滅させるのに足りないときは、もちろん合意で充当することができ、合意があるときは合意充当が最優先になります。合意がない場合は、弁済者または弁済受領者が指定する指定充当になり、この当事者による指定がないときは、法律の定めに従った法定充当になります。なお、指定充当と法定充当の場合は、どちらも「費用→利息→元本」の順番で充当しなければいけません。

弁済による代位

保証人が債権者に弁済した場合、保証人は主たる債務者に対して求償することができます。このような保証人などの求償権を実行的なものにするために、弁済をした保証人が債権者にとって代わることを、弁済による代位といいます。債務者のために弁済をしたものは、債権者の承諾を要することなく、債権者に代位します。それにより、債権者が債務者に対して有していた債権や抵当権などを、保証人などが行使できるようになります。

自働債権と受働債権

相殺を持ちかけるほうが持っている債権を自働債権、持ちかけられるほうが持っている債権を受働債権といいます。

相殺適状(相殺の要件)

相殺をするにはいくつか必要な要件があります。

1、それぞれの債権が互いに対立していること

2それぞれの債権が有効に存在していること

ただし、時効が完成した再建であっても、時効完成前に相殺適状になっていれば相殺することができます。

3、それぞれの債権が同種の目的を有すること

例えば、どちらも金銭債務である場合などです。

4、それぞれの債権が弁済期にあるということ

ただし、自働債権さえ弁済期にあれば受働債権は弁済期が到来していなくても相殺可能です。

5、債権の性質が相殺を許すものであること

自働債権に抗弁権がついているときは、相殺ができません。相殺を許すと、「抗弁を主張できる」という相手方の利益を奪うことになるからです。

相殺が禁じられている場合

相殺適状にあっても、次の2つのように、法律で禁じられている場合や、当事者間に相殺禁止の特約があり、そのことにつき第三者が悪意または重過失の場合は、相殺できません。

1、受働債権が一定の不法行為等によって発生した債権である場合

例えば、悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務、人の生命または身体の損害による損害賠償の債務の場合の時です。

2、自働債権が受働債権の差押後に取得された債権である場合

この場合は差し押さえの実効性を確保するために総裁が禁じられています。逆に自働債権が受働債権の差押前に取得された債権なら相殺できます。なお、差押後に取得した場合であっても、それが差押前の原因に基づいて生じた債権であるときは、原則として相殺できます。

相殺の方法と効力

相殺は、相手方に対する一方的な意思表示によって行われ、その効力は相殺適状になったときに遡って生じます。相殺には条件や期限をつけることはできません。